2023年春から放映されるNHK連続テレビ小説「らんまん」
主人公のモデルとなるのは、日本の植物分類学の父と称される牧野富太郎博士。牧野博士は新見地域にも残された業績は多い方でした。
牧野富太郎博士
新種や新品種など約1500種類以上の植物を命名。
全国からの要望に応じて各地を巡り、植物知識の普及に尽力された牧野博士は岡山でも明治大正昭和時代に植物採集会を指導されていたようです。
新見市のシンボルにもなっているアテツマンサク
新見市指定天然記念物であるとともに、新見市のシンボルにもなっているアテツマンサク。
牧野博士は大正3年(1914年)に阿哲郡教育会主催の植物講習会に来郡された際、黒髪山で発見し新種として発表されました。
マンサクの名は、早春にどの花よりも先に咲くことから、「まず咲く」が訛ったという説と、花が枝いっぱいに咲くことから、豊年満作を連想してついたという説があります。
他にも命名・発表された植物
・アオイカズラ
明治39年(1906)、吉野善介(高梁市)が現哲多町矢戸で発見され、牧野博士がアオイに似た葉の形からアオイカズラと名付けられました。
・シラガブドウ
大正3年(1914)、新見へ来られる途中に現総社市の路傍で発見され、白神寿吉(新見市上市出身、元新見市名誉市民)の姓をとり学名にも、和名にも“シラガ”をつけられました。
・ビッチュウフウロ
明治43年(1910)、吉野善介(高梁市)が哲多町で採集したものに牧野博士が命名。
・キビノクロウメモドキ
明治35年(1902)、現哲多町で吉野善介(高梁市)が果実のあるものを、翌年同じ所で花のあるものを採集し牧野博士に送られ、新種として発表。
見に行ってみよう!
春の訪れを告げるマンサクは、新見市役所駐車場や新見市運動公園、新見市哲多町のせせらぎ公園、新見市大佐の大佐山(大佐神社)で見ることができ、新見市大佐には私設の植物園「まんさく園」(入場無料)もあります。(※まんさく園・・2022年は、約100本の木が花を咲かせました。)
ビッチュウフウロは、新見市哲西町の鯉が窪湿原で8月~9月中旬頃に見ることができます。
朝ドラが今から楽しみであるとともに、この特集記事が市花であるアテツマンサクや他ビッチュウフウロといった植物を知ったり、出かける目的となりますように…!
参考
■NHK“《2023年度 前期》連続テレビ小説 制作決定!作・長田育恵 / 主演・神木隆之介” https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=33025
■高知県立牧野植物園“牧野富太郎 年譜”
https://www.makino.or.jp/dr_makino/
■新見市(1990)『新見市史 史料編』