いのちの記憶 ~地層に刻まれた魂の象(カタチ)~
太古から連なる壮大な生命の記憶の渦を、草木染・手織りで 表現された生命の世界
今おまえは時空の限りなく広い原っぱを駆けていく。おまえの後を追いかけて、精霊たちやたくさんの夢見る者たちが続いていく。
時が降りつもる。満天の星たちも地上に降りつもる。
億光年の時が、頭上にきらめき、静かに静かにこの大地に降りつむ。
地層の中で眠る生命のほう芽たち、生命の種たちは夢見る。
内部に刻みつけられた長い時の記憶を宿して、
大地の鼓動を感じながら生れ出る日を待っている。
いつまでも変わらない信念、意思のようなもの、いつも冷たい風に顔を向けて立つ。
そうしたものが一瞬、ふっと途絶え崩壊していくとき、
そしてすべての後に残る美しい意思とは何か。
指先が紡ぎ出した魂の象(カタチ)に触れる者たちが、
次につなげていく命の繋がり、命を愛おしむあたたかい意思。
永遠の命ではなく、一度きりのかけがえのない時を生きる者として
この世に存在することを良しとした。
その限られた一生の中で、心底、心を込めて全霊でとりくんだ己の魂の形を象って、
この時代の地層に刻み込むこと。それが彼の選んだ道、望みであった。
縄文の遺物のように、万年を経て蘇る鮮烈なフォルム。
彼の象った作品がそういう形で遺されていく・・・。
生命の記憶は、母なる大地の記憶。母なる大地から生まれたすべての生命たちには、その
記憶が内在している。いくつもの時間が流れ、触れ合ったり響き合ったりして多様な生命
を包み、時を刻み込んでいる。太古から連なる壮大な生命の記憶の渦。草木染・手織りで
表現された生命の世界をどうぞご高覧ください。
「いのちの記憶~地層に刻まれた魂の象」2026年
(羊毛の手紡ぎ・草木染・手織り作品 250×260㎝)

