〈企画展〉猪風来の縄文造形新作展「大地とぶどう」
生命と魂の縄文スパイラルアート
緑の森の谷間から湧き上がる大地の息は、雲になり空に昇っていく。雲は風にのり、やがて雨や雪になって地上を潤す。風や太陽の熱が大きな海の流れを促し、海流に乗って魚たちは大海原を泳ぎ、渡り鳥たちも北へ南へ旅をする。大いなる自然の循環の中に、すべての生きとし生けるものたちは在る。私たちの星を抱く「渦の腕」スパイラルアームは、地球をとりまく気候の渦でありまた海流の渦のこと。季節を巡り懐深く抱いてくれる地球のスパイラルアームが今人類の文明の諸活動を原因として乱れてきている。激しい気候変動と海流の蛇行、地球温暖化がもたらす危機的な現状を憂い、大地への祈りを込めて造形した猪風来新作を展示した企画展です。「大地とぶどう」は、母なる大地のスパイラルアームに抱かれて結実したブドウの生命力あふれる造形、大地の精霊とブドウの精気を縄文の作風でレリーフ作品に仕上げたもの。また「渦星(うずぼし)」は村上原野の土器文様を素材にした縄文デザイン画を、楕円形の半立体作品として仕上げたもの。この作品はまさしく「原野星」として縄文宇宙空間を照らすに違いありません。「涙のひとしずく」「希望のひとしずく」「大地の精霊」などの未発表新作も展示予定です。どうぞ高覧ください。

