カンボジアの恵まれない子供たちを支援している新見と高梁の両ロータリークラブは、11月22日から25日まで、現地へ訪問団を派遣。小規模診療所「ヘルスポスト」の建設に着手した。
 両ロータリークラブでは、元高梁クラブ会長の故・圓山興一さんが1998年にタケオ州に建てた「圓山小学校」の支援活動を行っており、里親制度を設けて学費を援助するなど交流を続けている。
 通算10回目となった今回の訪問団には、新見から国際奉仕委員長の大橋作弥さん、社会奉仕委員長の村上伸祐さん、現地の高校と友好協定を結んでいる岡山県共生高校校長の小林義明さんが参加。一般ボランティアを含む総勢36人の訪問団は23日、首都プノンペンから南へ約60キロに位置するタケオ州コッカンチャップ村に入り、行政代表や現地住民ら約1,000人が参加してヘルスポスト起工式に臨んだ。
 同村周辺では水道が未整備のため、住民らは雨水や池の水を飲んでおり、しばしば伝染病が発生。医療機関も遠いことから、両クラブが初期診療や健康管理に当たるヘルスポストの建設を決めた。
建物は鉄筋平屋72平方b。診察や妊産婦指導、応急処置などができる6部屋を備え、看護師ら3人が常駐する。建設資金約240万円のうち220万円は両クラブや国際ロータリー2690地区が拠出。残りは現地住民らの寄付で賄う。
 来年10月ごろ完成予定で、完成式には再び訪問団を派遣することにしており、両クラブでは「住民の健康づくりが子供たちの教育支援充実にもつながるはず」と話している。
 なお、新見ロータリークラブ関係で圓山小学校の里親になっているのは約30人。今回も里親から贈られた数多くの学用品や支援物資を持参して、児童や里子たちと交流を深めたほか、里子の家も訪問した。


日本の国旗を振って訪問団を歓迎する圓山小学校の児童ら


小規模診療所「ヘルスポスト」の起工式


里子の自宅を訪問するロータリークラブ会員ら