「トミコ・コーエン写真展」が5月23日(土)〜30日(土)、勝山文化往来館ひしおで開催されました。
この写真展は昨年(2008年)まなび広場にいみでも行われました。
真庭地域の方々にも、見ていただきたい!とのご要望に応え2度目の写真展となりました。

鹿児島県出身で、現在はニューパルツ在住の写真家トミコ・シラキガワ・コーエンさんが、1960年代のアメリカを写し撮ったものです。1963年のワシントン大行進や当時のハーレムの日常などの写真25点を展示しています。

米国初のアフリカ系アメリカ人(黒人)大統領オバマ氏が誕生した今、当時彼らが社会に求めたものは実現したと言えるでしょうか。1960年代のアメリカの姿を見ることができました。


講演する尾山さん トミコさんとの交流を説明する山内さん
写真展に合わせて、5月24日(日)13:30から、ひしおホールにてギャラリートークが行われました。


コーディネータ:山内 圭
講師:尾山 誉
演題:『アフリカ系アメリカ人の文化について』

まず山内さんがこの写真展の土台となっている、ニューパルツと新見市の姉妹都市交流を写真を交えながら説明しました。そして写真家トミコ・コーエンさんのプロフィールと続きました。トミコさんの執筆された本も紹介。まだ、日本文化がアメリカに充分に知られていなかった時代の本は、現在私たちが見ても、昭和のモノクロ写真の中に懐かしさを覚えました。

そして尾山さんは、1619年の奴隷貿易に始まり現在に至るアフリカ系アメリカ人の歴史、音楽、言語に触れるなど幅広いものでした。途中、詩の朗読や、黒人音楽、ジャズ、ブルースなどの紹介も。黒人と白人が分断された社会の中、「混血」の引き起こすアイデンティティの葛藤を、、迫害の陰惨さを黒人ジャズ歌手のビリー・ホリデーの歌に聞きました。背景を知ることで見えるもの、聞こえる音も違ってくるようです。
尾山さん自身の米国アーカンソー州立大での留学体験を踏まえ、人種や社会層により分かれて座る学食での人種体験など、身近な話題も交えながらのトークとなりました。